プロサッカークラブがナシの木オーナー 地元愛 農業でより深く
2023年9月2週号
福井ユナイテッドFC
福井のプロサッカークラブ「福井ユナイテッドFC」では、2022年春に、あわら市にあるナシ農園「波松㐂左衛門(なみまつきざえもん)」でナシの木のオーナーとなり、シーズンを通して地域の魅力発信と農業振興の一役を担っている。
選手らは同園を定期的に訪れ、4月の受粉作業や袋がけなどの生産管理に携わり、味のおいしさだけでなく生産の大変さを知って、より地元愛が深くなったという。
試合会場で販売も
収穫したナシは、選手自らが梱包(こんぽう)、手製のメッセージカードを同封するなど工夫を凝らし、クラブのホームページ(HP)や試合会場で販売。約400玉のナシは年内にほぼ完売するほど好評だった。
オーナーを受け入れている同園の寺崎洋視(てらさき ひろし)さんは「地元のサッカークラブを応援したいという気持ちから始めたが、選手のファンや県内外の新しいお客さんが増え、うれしい相乗効果となっている」と話す。
クラブの担当者・吾田真一(あずた しんいち)さんは「当初は地域貢献を目的としていたが、地域の農産物をPRできただけでなく、販売収益がクラブの新たな収入源の一つとなり助かっている」と話し「これからも試合で勝利をつかみ取りながら、オーナーとして地域の魅力を発信する架け橋となり、福井を盛り上げていきたい」と笑顔で答えてくれた。 今年もHPなどで予約販売を開始している。
寺崎さん(右)から管理の説明を受ける大西将亜(おおにし しょうあ)選手(中)と樽谷誠司(たるたに せいじ)選手(提供=福井ユナイテッドFC)
木の前にはカーブミラー製造全国シェアナンバーワンの地元企業が作成したサッカーボールを模した看板が掲げられている