広報

私の農業経営 くん炭を有機栽培で活用

2023年11月1週号

坂井市・西川昭一(にしかわ しょういち)さん

▽合同会社 八ツ口営農・代表

▽経営規模:水稲 11㌶、麦 8㌶、ソバ 7.7㌶(内夏そば70㌃)、エンレイ 1.3㌶、黒豆 5.6㌃

 

 2015年に合同会社八ツ口営農を設立し、集落の8割弱の圃場で水稲と麦・ソバ・大豆の二毛作で営農しています。

 以前は化学肥料を使っていましたが、昔ながらの有機農業に戻したいと思い、19年から毎年60㌃ずつ有機栽培の「コシヒカリ」を作付けするようになり、20年に県の特別栽培農産物認証を取得しました。

 有機圃場には、自社で製造したくん炭を使用しています。煙突を圃場に立てる昔ながらのやり方で作っています。

 これまで処分に困っていたもみ殻が有効活用でき、肥料のコストカットの強い味方となっています。くん炭を製造するときに副産物としてできる木柵酢は、圃場周りにまいて害虫防除にも役立てています。

 今後のチャレンジとしては、米ぬかや貝殻を粉にしたものとくん炭を混ぜ、独自のペレット肥料の開発も考えています。

 生産した有機米は、地域の農業に少しでも関心を持ってもらいたいという思いから、通常よりも安い値段で地主や集落内で販売しています。有機で栽培した米はおいしいと評判をで、有機に変えたことで地力増進や食味に良い結果が出ていることがうれしいです。

 どんな不測の事態にも対応できる収入保険に加入しているので、経営する側も営農する側としても安心感が全然違い、いろいろなことにチャレンジできています。

 昨年、30代の髙桒智史(たかくわ さとし)さんが入社し、若い後継者もできました。若手に引継ぎしながら、これからも地域に根差した農業を続けていきたいです。

 

 

神社のしめ縄として利用するため、はさがけしたわらの前で「くん炭作りは煙対策などをの欠点はあるが、地域住民の理解を得ながら続けていきたい」と話す西川さん(右)と髙桒さん