広報

高アミロースのリゾット米 商品開発 販路拡大

2023年11月2週号

地域特産目指して

福井市円山地区

 

 福井市円山(えんざん)地区では、市街部と農村部の交流を図ろうと、県内では珍しいリゾット米を2016年から栽培。20年からは、県農業試験場が新たに育成した調理用品種「越のリゾット」に切り替え、地区の特産にしようと商品開発や販路拡大に力を入れている。

 越のリゾットは、食物繊維と似た機能を持つ難消化性でんぷんを多く含む高アミロース米で、消化吸収がゆっくりされるため、血糖値を気にしている人にお薦めだ。

 育苗から精米まで一貫して携わる河戸文雄(こうど ふみお)さん(73)は「越のリゾットは、稈長が短いため倒伏しにくく、栽培しやすい品種」と話す。

 22年に同地区の特産にしようと地域おこし協力隊を募集。農業法人で6次産業化の経験があり、地域プランナーの日芳佳奈子(ひよし かなこ)さんを迎え、商品開発を始めた。「リゾットやパエリア用というだけでなく、家庭の炊飯器で気軽に調理でき、パラリと煮解けしにくい特徴を生かした新商品が必要だと考えた」と日芳さん。

 「あきさかり」をブレンドした「チャーハンブレンド」や「コシヒカリ」をブレンドした水っぽくならない「炊き込みブレンド」など3種類の商品を開発した。商品は同市のふるさと納税の返礼品にもなっており、東京にある本県のアンテナショップでも販売が始まっている。

 

 

「スープをしっかり吸ってくれるので、雑炊にもお薦め」と話す河戸さん(左)と日芳さん

 

越のリゾット米のほか炊き込みご飯やチャーハン用のブレンド米も販売