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おからを有効活用 添加物不使用菓子が好評

2023年11月4週号

谷口屋 坂井市

 

 坂井市丸岡町上竹田(かみたけだ)にある油あげ専門店「谷口屋」では、油あげ製造のときに出るおからを使った菓子「おからっこ」を開発優しい甘さと歯ごたえのある食感のおからっこは、小さな子供がいる母親を中心に人気となり、まとめ買いするリピーターが付くほどとなっている。

 1925年から続く同店は、脇役のような油あげを主役にしたいと、オーナーの谷口誠(たにぐち まこと)さん(69)が98年に有限会社として組織変更。現在は地場産の大豆や越前海岸で取れた越冬にがりなどを使った商品を販売する名店となっている。

 油あげの基となる豆腐を作る際に毎回出るおからは、無駄にしたくないという思いから家畜の餌や肥料として提供していた。しかし、おから食品の商品化ができないかと考え、生おからを使用したおからっこを開発。せんべいとスナック菓子を合わせたような硬めの食感で、小さな子供のおやつから大人のお酒のおつまみにも最適だ。全ての商品が添加物を使用していないため、体に優しい菓子となっている。

 「若い従業員の意見をなるべく聞きながら、自らも勉強し、商品開発や改良に取り組んでいる」と谷口さん。「油あげの需要は冬場がメインだが、年間通して商品の需要があるよう工夫し提供していきたい」と意気込みを話す。

 

「油あげは毎年地元のどんど焼きで約1000枚を無償でふるまっている」とおからっこを手に谷口さん