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私の農業経営 リスク分散、収入保険は不可欠

2024年1月3週号

若狭町 田中正志(たなか まさし)さん(60)

▽株式会社チームみかた五湖・代表取締役

▽経営規模:水稲7・4㌶、白ネギ1・6㌶、ウメ1・4㌶、ニンニク98㌃、エダマメ30㌃、レモン30

▽収入保険加入

 

 営農指導員として長年携わってきた中で、担い手不足を感じ、地域農業者の中核になりたいと思うようになりました。2013年にJAを退職し、株式会社チームみかた五湖を設立。さまざまな経営形態がある中で、スピード感をもって経営判断できる株式会社方式で経営しています。

 当初は、水稲と若狭特産「福井梅」がメインの経営でしたが、リスクの分散を図るため、ネギやニンニクなどの園芸作物を積極的に取り入れ、多品目の複合経営を行っています。

 園芸作物は、青果のほか加工品にして付加価値をつけて販売することができます。栽培するニンニクは、一部を黒ニンニクに加工して県内のスーパーなどで販売し、「甘みがあり健康に良い」と好評です。

 栽培面では土作りに力を入れています。処分に困っていた白ネギの未利用部をウメの園地に肥料として活用したところ、生育が良くなり収量が安定したことで、土作りの重要性を知りました。現在は地力を最大限に生かすため、スーダングラスなどの緑肥や有機肥料を導入しています。

 23年は夏の異常な猛暑で主力の白ネギが壊滅的な被害を受けましたが、収入保険に加入していたので、つなぎ融資を受けることができて本当に助かりました。収入保険は品目の限定がなく、どんな不測の事態にも対応できるので、複合経営にとって必要不可欠で、チャレンジする大きな力となっています。

 若い人が農業に憧れを少しでも持ってもらえるように、これからもいろいろなことにチャレンジして、地域農業の活性化に貢献していきたいです

 

レモンの園地で「昨年収穫が始まったレモンは、管理がしやすく需要も高い。今後は耕作放棄地を活用した果樹栽培を計画中で、若狭初のフルーツランドを作りたい」と田中さん