私の農業経営 コウノトリ呼び戻す農法が定着
2024年3月1週号
越前市 恒本明勇さん(76)
越前市白山(しらやま)地区の特産ブランド「白山スイカ」と水稲をメインに営農しています。
2009年に、市西部地区で仲間とともに「コウノトリ呼び戻す農法部会」を設立しました。コウノトリが生息できる環境をつくるため、農薬と化学肥料を使わずに栽培する環境順応型農業の推進に取り組んでいます。15年たった今では、地域全体にこの活動が広まり、コウノトリがいる田園風景が当たり前になりつつあることに感動しています。
収入保険には2019年から加入しています。これまで、露地野菜やスイカは天候不良や病害虫などによる減収に対する補償がなく、収入減少に対する心配からのストレスで生産意欲が減退することも多々ありました。品目が限定されない収入保険は、そのストレスを軽減するだけでなく、次も頑張ろうという後押しになってくれます。
息子夫婦を含めた家族経営の維持ができるのも収入保険のおかげで、万が一の場合でも翌年度も継続して農業に取り組める安心となっています。
昨年は、梅雨期の大雨で炭疽(たんそ)病が発生し、その後は連日の猛暑の影響で、スイカの収穫がほぼゼロという壊滅的な打撃を受けました。しかし、補償があることで今年も栽培計画を立てる事ができました。
近年の天候不順で生産量は不安定な状況下ですが、収入保険のおかげで特産の白山スイカ産地の維持に繋がっています。
これからも収入保険に加入し、息子夫婦とともに農業経営を続けながら、地域や新規就農者などのサポート役に回りたいです。
時代のニーズに合わせて、小玉の白山スイカの栽培も始めた恒本さん