イチゴ/ブルーベリー/ブドウ おいしさ通年で提供
2024年4月4週号
FRUITFUL GARDEN ひのの実 南越前町
摘み取り体験が評判に 人が集い にぎわう拠点に
今年1月に南越前町の道の駅「南えちぜん山海里(さんかいり)に隣接する新たな観光スポット「FRUITFUL GARDEN ひのの実」がオープン。同施設では、1.2㌶の圃場で国内初の養液ポット栽培のイチゴとブルーベリー、ブドウの生産に取り組んでいる。オープンと同時に始まった大型ハウスのイチゴ摘みは、県内外の観光客に好評を得ている。
生産管理を行う、南条果樹園管理組合の組合長でイチゴ部門・株式会社HINONOMI(ひののみ)の川﨑武彦(かわさき たけひこ)さん(49)は、北陸最多11種類のイチゴを、情報通信技術(ICT)を利用した最先端の養液ポット栽培で生産。12月から6月まで摘み取り体験のほか、キッチンカーを併設するカフェで、果物を使ったスムージーやソフトクリーム、ケーキなどを提供する。
3人が協力して
元々、県の園芸研究センターで野菜の生産などの研究に携わっていた川﨑さん。同町から園芸作物に取り組みたいと相談を受けた際「いつ来てもおいしものがある場所にすることが必要。野菜よりもイチゴなどの果樹がいいだろう」と提案。当時人づてに聞いた、ブルーベリー生産に興味があった同町井上哲弘(いのうえ てつひろ)さんと、ブドウ生産を考えていた藤井博貴(ふじい ひろき)さんに声をかけ、自身も興味があったイチゴ生産で養液果樹生産を行うことを決めた。
同施設では、1月からのイチゴの摘み取り体験のほか、6月からは30種類以上のブルーベリー、8月からは40種類以上のブドウなどが楽しめる予定で、年間を通していつでもおいしい果樹が味わえる環境を整えている。
併設直売所や道の駅で販売
生産した果物は、併設する直売所で販売するほか、隣接する道の駅でも販売中だ。
ブルーベリー部門の井上さんは「個人でする予定だったが、みんなで集まって生産することで、お互いに協力し合え、個々よりも集客が見込める。良い事だと思った」と話す。
川崎さんは、「今は3人で協力して経営を安定させることを第一に、おいしい果樹を提供していき、新しいにぎわい拠点として町全体を盛り上げていきたい」と話す。
川﨑さん夫妻(右)と井上さん。「家族の協力のおかげでより良い環境ができている。みんなで楽しい空間を作っていきたい」と笑顔で話す
イチゴ摘み体験は、1カップ1200円。練乳のほかクレープやあんこなど10種のトッピングが一つ選べ、イチゴ大福など好みのスイーツを作ることもできる(写真提供=川﨑さん)