広報

大規模稲作 収益増へ輸出専用米

2024年8月1週号

コスト削減・省力化

福井市・(有)藤島エンタープライズ

 

 福井市上伏町(うえぶせちょう)有限会社藤島エンタープライズでは「コシヒカリ」など主食用米55㌶とWCS(発酵粗飼料)用稲17㌶を生産し、22㌶の作業を請け負う。肥料コストの高騰や販売価格低下などによる収益減少の打開策として、2023年に輸出用米「シャインパール」10㌶の栽培を開始した。

 同社は、稲WCSにかかる資材価格の高騰などで収益が減少してきたため、収益力の向上を目指し、新たな品種の生産を検討。早生品種も考えたが、作業効率化と価格を考慮し、輸出用米にチャレンジしようと決めた。

 専務取締役の佐々木康之(ささき やすゆき)さん(45)は「稲WCSは刈り取りから出荷まで、2週間程度の時間と労力、専用の資材などが必要だった。シャインパールに切り替えたことで、通常の稲刈りにかかる労力で済むようになり、かなり省力化できた」と話す。

 シャインパールは、収穫期が9月上旬からで、高温登熟耐性に優れ、同社の作業スケジュールにも組み込みやすかったため、採用した。

 「稲WCSほど資材コストなどがかからないうえ、収穫作業が主食用米と同じでその他の作業が不要なため、コスト削減と作業効率化につながった。これからもいろいろな品種に取り組み、収益増につなげていきたい」と佐々木さんは話す。

 

 

「これからも新しいことにチャレンジして、自分たちに合った作物を見つけていきたい」と佐々木さん