地場産野菜のおいしさ カフェで味わってほしい
2024年10月4週号
鯖江市・上嶋睦美さん
「農家さんが愛情込めて作った食材を絶対無駄にしたくない」と話すのは、鯖江市水落町(みずおちちょう)の上嶋睦美(うえじま むつみ)さん(63)。同市図書館「文化の館」に併設する「こっしぇるん。かふぇ」で、地場産の新鮮な旬の食材を生かした、野菜中心の料理を提供している。
同市の直売所に勤めていたとき、農家が丹精込めて作った野菜の売れ残りが廃棄されている状況を目にし、心苦しく感じていた上嶋さん。「少しでも農家さんの役に立ちたい。鯖江のおいしい食材をもっと知ってほしい」と思うようになり、2016年に一念発起。同カフェ開業を決意した。
同店では、以前から交流のあった農家などから規格外の野菜などを仕入れ、その時どきの新鮮野菜を使ったランチメニューを提供するほか、新しいメニューの考案や地元の伝統野菜「吉川ナス」を使用した料理教室を行うなど、地場産野菜のPR活動も行っている。
苦手な野菜でも同店の料理だと食べられるという人も少なくなく「料理だけでなく、野菜本来の素材の味をほめてもらった時が一番うれしい」と上嶋さん。「これからも地元のおいしい野菜と消費者をつなぐ架け橋になって、地元野菜のPRに貢献していきたい」と意気込みを話してくれた。
「鯖江の新鮮でおいしい野菜をぜひ食べに来てほしい」と上嶋さん。お客さんに野菜の保存方法の秘訣を教えている