イチゴ「紅ほっぺ」 植物性有機肥料でおいしく 体に優しく
2024年11月4週号
坂井市・アオハル農園
坂井市三国町のアオハル農園では、ハウス8棟で化学肥料や農薬を使わず、有用微生物群(EM菌)や米ぬかなどの植物性有機肥料を使ったイチゴ「紅ほっぺ」の土耕栽培を行っている。
「体に優しい農法をひろめて、学校給食の食材をすべて自然栽培で作ったものにすることが夢」と話すのは、同農園の代表・齋藤亜季(さいとう あき)さん(33)。元々看護師だった齋藤さんは、病気予防の一番は健康な食だと感じていた。
農作物を作る時、農薬や化学肥料を使っているのが当たり前だったことに疑問を抱き、県の「ふくい園芸カレッジ」に入学し2018年に就農。できるだけ農薬などを使わない農法でイチゴの土耕栽培を始めた。
22年、たまたま手が足りていなかった時、沖縄県から里帰り出産で福井に帰省していた友人の玉城(たまき)さんに「夫が手伝いに行ける」と声をかけてもらった。お願いしたところ、農業経営コンサルタントで自然栽培農法のノウハウを持つ泰(やすし)さんが手伝いに来てくれた。「ニンニクやゴーヤー、大豆などの混植で病害虫の忌避効果を知った。玉城さんのおかげで自分の目指す栽培方法が見つかった。本当に助かっている」と齋藤さんは話す。
「福井は四季がしっかりとあり、沖縄とは気象や土質が違うが、初めて福井に来た時からここで農業がしたいと思っていた」と玉城さん。昨年から福井に移住し同園で働く。齋藤さんは「この栽培方法を多くの人に知ってもらい、体に優しい農作物を作る農業者を地域に広めていきたい」と話す。
「いろいろな作物や果樹で自然栽培にチャレンジしたい」と齋藤さん(左)と玉城さん
1月から始まる観光農園は、大人3300円、小学生2500円。昨年は一粒5万円の大玉を収穫していった人もいる(写真提供=齋藤さん)