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完熟で収穫 ブランド展開 高単価路線に軸脚

2024年12月1週号

食のトレンドにアンテナ高く

高浜町・馬場祥誠さん

 

 「トレンドに分間になりながら、福井から世界に通用するイチゴをつくっていきたい」と話すのは、高浜町鎌倉の「パピィフルーツパーク」園長の馬場祥誠(ばば よしあき)さん(45)。ハウス4棟でイチゴの養液栽培を行っている。

 同園では甘みの強い「章姫(あきひめ)」を完熟で収穫し、独自ブランドの「リッチゴ」として販売する。9月に植え付けをして管理を始め、12月から6月末まで青果を生産。規格外などは瞬間冷凍して真空パック保存し、加工して年間を通して提供できるようにしている。青果を町内スーパーなどで販売するほか、7月から営業するキッチンカーなどでジュースなどに加工し、県内のイベントで販売する。

 もともと別の仕事をしていた馬場さん。転職を考えていた時に、知り合いの紹介で農業の道に進むことを決意。栽培するなら子供たちが収穫を楽しみに待ってくれるものが良いと考え、京都のイチゴ生産者の下で研修を1年受け、2017年に県と町の助成を受けてイチゴ生産者として就農した。

 「今年で7年目になるが、生産のコツがわかるまでが大変だった。異常気象と毎年言われているだけあって、気温管理の見極めが難しいが、4年目くらいから少しずつ収量が確保できるようになってきた」と話す。

 県外の商談会に毎年1回必ず参加していて、SNS(交流サイト)などでトレンドのチェックを欠かさないという馬場さん。今年の夏は、韓国のイチゴあめブームを参考にして冷凍イチゴを串にさし、キッチンカーで提供したところ、これまでよりも多く販売できた。「イチゴを手にしてくれるお客さんは女性や子供がほとんど。何かを商品化する時には、奥さんや女性パート社員の意見を参考にして、単価や容量を決めている」と話す。

 今年も出荷が始まり作業に集中する馬場さんは「これからも地元に貢献しながら、新しいいトレンドを取り入れつつ、県外や海外に向けた高単価の販路も拡大していきたい」と話す。

 

「観光農園を開始する前の2月に地元保育所などの収穫体験も受け入れている」と馬場さん。首都圏のデパートの外商カタログに掲載されているリッチゴは6粒1万円で販売されているものもある(写真提供=馬場さん)