私の農業経営 新しい作物にチャレンジ
2025年2月1週号
小浜市 辻川清和さん(65)
▽株式会社永耕農産・代表取締役 ▽経営規模水稲74・7㌶、大麦10・6㌶、大豆2・7㌶、ソバ6・7㌶、キャベツ1㌶、白ネギ・野菜1・4㌶、その他 貸農園・直売所運営
農地の集積を目指し、2007年に広域集落営農組織を設立し、その事業拡大と経営の安定化を図るため、2015年に株式会社永耕農産を設立しました。
現在は、「コシヒカリ」などの水稲を中心に、大麦や大豆のほか、加工用キャベツなど、収益性が高く機械作業が可能な作物を栽培しています。二毛作を利用し、複合的に生産することで、農地を最大限に利用しています。また、直売所や貸農園も運営しています。
2024年は新たな試みとして、輸出用米「シャインパール」の栽培にチャレンジしました。
経営の発展は、後継者の育成が重要と考えており、若手従業員の育成と雇用環境の充実に力を入れています。労働時間や賃金、福利厚生などを一般企業と同じレベルほどに整備しており、若い人が就職先の一つとして農業を選べる環境づくりを行っています。
また、若手の創意工夫を積極的に取り入れ、ときには失敗することもありますが、「それも将来への先行投資」と考え、後継者育成に係る経費は惜しまず確保しています。
地域とのつながりも重要だと考えており、野菜の収穫祭や田んぼアート、直売所での野菜や加工品の販売など、地域に根ざした農業に取り組んでいます。
今も農業ができるのは先代方のおかげ。農地は地域の財産であり、恵まれた農地を守り、次世代につなげる。これからもこの理念を念頭に、収入保険でリスク管理をしながら地域の遊休農地ゼロを目指して、若い世代とともに新しい農業へのチャレンジを続けていきます。
「農地の集積を目指し2007年に生産組合を、事業拡大と経営の安定化を図るため、15年に株式会社とした」と辻川さん