越前水仙 多くの人に届けたい
2025年3月2週号
ブランドと景観守る
越前町・宮本 修さん
「地元ブランドときれいな景観を守り続けていきたい」と話すのは、越前町梅浦(うめうら)の宮本修(みやもと おさむ)さん(70)。自宅で飲食店「こめや」を経営する傍ら、県花のブランドスイセン「越前水仙」を栽培する。
越前水仙は正月を代表する花で、越前海岸の冬の風物詩としても有名だが、圃場は海岸に面する傾斜地が多い。また、収穫作業は12月から2月までと、寒さが一番厳しい時期で大変なことも多い。そのため、高齢化に伴い離農する生産者もあり、県内の生産規模は年々減少している。
「祖父の代から続くスイセン畑は、越前海岸沿いの山の斜面地にあるため、管理や収穫作業などは重労働だが、足腰の筋トレにもなり、今でも現役で元気に働けている健康の秘けつのひとつ」と笑顔の宮本さん。
出荷量減 収入保険でカバー
一方で最近は、シカやイノシシによる被害が増えてきている。電気柵やワイヤーメッシュなどで対策は行っているが、獣害対策が今一番の課題だという。さらに近年の異常気象による猛暑で、生育不良となり出荷が遅れ、2023年はこれまでの収穫量の3割ほどしか出荷できなかった。しかし、「19年から加入する収入保険で補償されたため、本当に助かった」と宮本さんは振り返る。
「これからも二足の草鞋(わらじ)で、体力に応じた生産を続けながら、最善を尽くし、きれいな花を待っている多くの人に届けていきたい」と話す。
「スイセン畑で土と緑に癒され、無心に作業することでストレスも解消される」と宮本さん