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獣害ゼロへ

2017年6月1週号

遠隔操作で効率的捕獲を実現


ゲート入口に付いているセンサー
を指さす桃井さん


スマートフォンからの
現場の檻の状況

美浜町では、2015年3月より、捕獲檻(おり)のライブ映像をスマートフォンなどで見ながら捕獲操作ができるシステム「まる三重(みえ)ホカクン」を導入。導入集落では、サルの捕獲頭数が約4倍増の実績を上げ効率的な捕獲駆除に役立てている。
同町では10年より、山ぎわに恒久柵(高さ1.9㍍)を整備し、さらにサル対策として同柵上部に電気線を張る対応を取ってきた。しかし、サルは木の枝から恒久柵を越え集落に侵入するため、侵入防止よりも銃による駆除がメインで、有効な対策ができなかった。
その対策案として挙がったのが、株式会社アイエスイー(三重県)が製造する同システムだ。檻付近に設置したカメラで遠隔監視ができるため、檻までの見回りの省力化が図れる。また、獣が檻に入ると、ゲート入口に付いたセンサーが反応、管理者へメールで知らせてくれる。映像を見ながらボタン一つで、タイミングを計りゲートを落とすことができ、獲り逃がしを減らすこともできる。
同システムを導入している北田集落では、集落のわな猟免許所持者2名が檻を管理している。管理者の桃井和幸さん(63)は、「爆竹などで追い払いしても、村の中を巡回するだけ」と捕獲の重要さを話す。サルは群れで行動するが、視覚で餌の有無を確認して、交代で檻に入るため、餌付けは大切とのこと。そのため、餌の補充も欠かせず、集落内で餌の提供を呼び掛けている。
同町農林水産課の中瀬豪規さん(28)は、「高齢化により銃猟免許所持者が減る中、新たな捕獲手法として期待している。サル対策は大変な労力が必要なため、集落全体で協力して取り組んでほしい」と話してくれた。