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2017年6月4週号
エコファームみかた 希少品種「紅サシ」を使って(若狭町)
「若狭梅の果肉と果汁をふんだんに使った加工品は、今からの暑い時期にピッタリ」と話すのは若狭町鳥浜にある株式会社エコファームみかたの営業部広報・藤本佳(よし)志(ゆき)さん(39)。2000年に設立した同社では、自社農園62㌃250本で紅(べに)映(さし)梅(うめ)を栽培し約3㌧を生産。梅の消費拡大のため町内で生産された紅映も含め、梅酒や梅サイダー、菓子など十数種類の加工品に活用し、製造・販売を行っている。
紅映は同町で生まれた品種で、陽に当たると実に赤み(紅)が差すことから、その名前がついている。ほぼ全量が本県で生産されている希少とも言える品種。他の品種に比べると、種が小さく肉厚で、うまみ成分である遊離アミノ酸を豊富に含むのが特徴だ。
紅映は梅干しだけでなく、梅酒にも向いており、「梅の産地でもある若狭町を知ってもらうためには、梅を使った珍しい加工品で地域をPRしたい」と藤本さんは話す。4~5個分の梅を使用し、地元の名水百選「瓜割の滝」の水と合わせた梅酒「若狭美(び)水(すい)」(500㍉㍑)は、口当たりがすっきり。また、甘すぎず酸っぱすぎず希釈タイプのジュース「BENIシロップ」は若い女性に好評だ。「素材の持ち味を生かすため、程よい酸っぱさと濃厚な梅の味を残すよう工夫した」と話す。
一方、販売戦略として、「国内大手メーカーと差別化するため、産地や品種を前面にアピールするネーミングにした。また、お客様に笑顔で商品を手に取ってもらうため、若い女性向け用にパッケージのデザインを考え、クリスタルケースや紙の巾着袋入に替えるなど試行錯誤した」と代表取締役の新屋明さんは話す。
16年には、当社自慢の商品、甘くない梅酒「BENICHU20°」が国際味覚審査機構(iTQi)の優秀味覚賞で一つ星に認定された。「今後、販路を拡大するためには、お客様の反響を知り、クオリティを保つことが、若狭梅の魅力へつながる」と藤本さんは意欲を話す。