安心・安全無農薬の食用バラ
2018年10月1週号
「美しい色、甘い香りのバラを安心して食べていただくことができます」と話すのは、長谷川造園株式会社の吉澤芳美(よしざわよしみ)さん(54)(ゆりの里公園管理事務所所長)。同社では、無農薬で15種類の食用バラを栽培し、生花やジャムなどの加工品を販売。加工体験教室などを通じ、バラの楽しみ方を多くの人に伝えている。
同社は、ゆりの里公園(以下公園)でユリや鑑賞用のバラなどを栽培する中、バラの花びらにはポリフェノールやビタミンが豊富に含まれ、食用としても需要があることから、2015年に園芸施設の5㌃で特殊液肥による食用バラの水耕栽培を始めた。
屋外の鑑賞用のバラには農薬が欠かせないが、食用バラは「安心して口に入れてもらいたい」と一切農薬を使っていない。アブラムシが発生した場合は、水を勢いよく吹きかけて防除している。
バラの開花期の5月と10月には、食用の生花を洋菓子店などの受注に応じて販売。花びらをドライフラワーやジャムに加工している他、加工所に委託してローズウォーターやローズパウダーを商品化しており、加工品は一年を通して公園内の直売所「ゆりいち」で販売している。
また、公園内で食用バラを用いたジャムやモイストソルト(塩と花びらを幾重に重ねた調味料)を作る教室や花摘み体験を開いている。
「今後は、新しい加工品の試作に取組み、食用バラの可能性を広げていきたいです」と吉澤さんは抱負を話す。
▽乾燥バラでつくるハンドメイドジャムレシピ
(材料)乾燥バラ5g、グラニュー糖150g、ペクチン1袋、レモン汁10㏄、水300㏄
(作り方)①乾燥バラをお湯200㏄で3時間位かけてもどす。②厚手の鍋にバラともどし汁100㏄を入れ、バラが柔らかくなるまで中火で煮る。③グラニュー糖と残りのもどし汁を②に入れ弱火で灰汁を取りながら15分煮る。④水100㏄を入れた鍋にペクチンを少しづつ入れ、ダマにならないように混ぜる。⑤③に④を混ぜ、レモン汁を入れ10分位弱火で煮る。