プラスチックの代替案「おおむぎママの麦ストロー」
2019年7月4週号
福井大麦倶楽部 福井市殿下町
「『straw(ストロウ)』はもともと麦わらでした。原点を知ってもらうことで、小さなエコが増えていくと嬉しいです」と話すのは福井大麦倶楽部代表の重久弘美さん。(福井市殿下町)今年7月から六条大麦の茎を使用した「おおむぎママの麦ストロー」を発売した。
「懐かしい」とも言われている大麦ストローはつやつやとした表面で、温かな風合いがある。紙ストローとは違い、無味無臭で、数時間飲み物の中にあってもふやけないという。
「茎を収穫する作業が一番大変でした」と話す重久さん。同町の「農事組合法人てんが」が生産した内、10万本の六条大麦を5月下旬からバインダー(手押しの刈り取り・結束機)で刈り取りした。約2日間天日干しした後、節と節の間をハサミでカットし、皮を剥き、殺菌消毒。酵母やカビ、残留農薬検査を受けて出荷している。合格基準を長さ19~20㌢としているため、販売できるのは5万本の見込み。
「一面に広がる六条大麦は地域の宝です」と笑顔で話す重久さん。10年前に夫の典嗣さんが栽培していた六条大麦の食物繊維などの健康作用に着目した。六条大麦は麦茶にされることが多いが、様々な食べ方を広めようと夫婦で起業。これまで大麦粉を始め、そのまま食べられる麦茶などいくつもの加工品を開発してきた。麦製ストローは創業当時から重久さんが毎年千本ほどを手作りして、お客さんにプレゼントしていたものだ。プラスチックごみの環境汚染問題で、世界的にプラスチックストローの使用を控える動きが商品化のきっかけとなった。
「自然派レストランやロケーションの良いお店などから問い合わせが多いです。今後は、製造コストを下げられるように検討して、多くのニーズに応えていきたいです」と話す。
▽商品は10本入り(324円)と業務用の250本入り(8,100円)がある。
▽福井大麦倶楽部 TEL:(0776)97―6369