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ひまわり米 景観も米も評判です

2019年8月4週号

株式会社若狭の恵 小浜市宮川地区

「ひと夏で8万人がひまわりを見に訪れます。地域一体となった取り組みが好循環を生んでいます」と話すのは株式会社若狭の恵代表取締役の前野恭慶さん(小浜市加茂)。ひまわりを緑肥とした「ひまわり米」と「花の里宮川」を地区のブランドとして育てている。
5㌶で作付けする百万本のひまわりは、栽培区域ごとに播種時期を分けているため、7月末から8月中旬ごろまで花を咲かせる。8月上旬に開催される「ひまわり祭」では、特産品の直売やバンド演奏、打ち上げ花火などにぎやかな催しが恒例となっている。
2005年の当初は、特別養護老人ホームの入所者らに花を楽しんでもらおうと始めた事だが、後々緑肥になることがわかった。種の入手や草刈りなどの管理は宮川地区の公益部門(一社)宮川グリーンネットワークが担い、地域の多面的機能支払い交付金事業と連携。営利部門の同社が次年にあきさかりを作付し「ひまわり米」として販売する。「環境や健康に配慮した米作りへのニーズが増えています」と前野さん。化学肥料不使用、減農薬の「ひまわり米」は口コミで広がりリピーターが増えている。今後はひまわりの開花時期に併せて直売を強化する計画だ。
同社は、宮川地区の農地160㌶を集積し2015年に設立したメガファーム。生産から販売まで一貫管理し、安心・安全の米作りを行う。
今年から、ひまわりを含む81㌶の圃場でデータをフル活用した未来型大規模水田作モデルの実証に取り組み、農研機構の「スマート農業加速化実証プロジェクト」に採択されている。「田植機の土壌分析とドローンによる成育診断が同じような結果でした。データに基づいた施肥で、効率的に収穫量を増やせそうです」と話す。

▽ひまわり米。3キロ、5キロ入りが売れ筋。

▽圃場の状況を説明する前野さん。5mメッシュで確認できる。