酪農 ゲノム解析を用い牛群の生産性向上
2020年2月4週号
「学生時代にゲノム解析を用いる研究に関わっていました」と話すのは、合同会社南牧場・代表社員の南一輝さん。(勝山市平泉寺町)遺伝的能力評価にゲノム解析を用いて乳用牛42頭を効率よく飼養している。
南さんは2年前に飼料会社の勧めで、成牛の遺伝的能力(生産性や疾病リスクなど約80項目)をゲノム解析で調べたところ、牛の実際の成績と検査結果が合っていたことから、後継牛を選別するためにゲノム解析は良い指標になるのではないかと考えるようになった。
ゲノム解析には1頭当たり2~3万円の費用がかかるが、作業は簡単で専用の器具を用いて採材した組織を検査機関へ郵送するだけで行う事ができる。遺伝的能力を知ることで、後継牛を選別しやすいほか、疾病リスクの高い牛には、給与飼料を気にかけることで疾病予防にもつながるなど利点がある。
「昨年から、生まれた子牛のゲノム解析をするようになり、その子牛は現在飼養している牛よりも能力が高いことが分かっています。3年後位にはゲノム解析の効果が見えてくると思うので楽しみです」と笑顔で話す。
検査に使う器具を見せる南さん