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仲間・地域と共に発展

2020年5月1週号

三つ星株式会社 代表取締役 冨田美和さん (坂井市坂井町下兵庫)

「品質の良い農産物を作るだけでなく、生産に携わる人や地域が良くなるよう持続可能な農業を目指したい」と話すのは三つ星株式会社代表取締役の冨田美和さん。(坂井市坂井町下兵庫)同社では環境制御システムを導入した50㌃のハウスでトマトと4・5㌶の水田で白ネギを生産している。
2018年設立の同社は昨年、トマト130㌧を生産した。「農業初心者の集まりが初年度から高い実績を出すことができたのは人に恵まれたからこそ。目標は150㌧」と意気込む。美和さんは経営全般とハウス内環境データの解析・制御を行い、白ネギの栽培は、夫で共に代表取締役を務める真人さんが中心となって行っている。従業員は設立時にハローワークで募集した13名。女性従業員6名の目線を活かし、パッケージと箱のデザインを考案した。
「男性は畑仕事、女性は細やかな作業が得意な面があり、一人一人が活躍している」と美和さん。農作業はマニュアル化され、誰もが作業に入れるようにしており、クラウド型農業支援システムのアグリノート(ウォーターセル株式会社、新潟市)で作業記録を管理している。ハウス内には音楽や時報、作業終了5分前のアナウンスが流れ、作業に集中しやすい環境を整えている。
美和さんは愛知県の非農家出身で、14年に大阪から真人さんの実家がある坂井市に移住した。「ふくい園芸カレッジ」で野菜の栽培技術を学び、17年にハウス2棟で就農。全国へ視察を繰り返し、栽培や労務管理などのノウハウを勉強して規模拡大を実現した。
「トラクターが動かない時には、近所の方に貸してもらったこともあり、周りの方の協力に感謝している。まずは良い物を多く収穫し、経営を安定させて徐々にレベルアップしていきたい」と笑顔で話す。


「夏を越すことを重視し、トマトは『りんか409』を選んだ。ハウス内は気化熱冷房を導入し、真夏でも32℃ほど」と話す冨田さん