ユズ収量安定、ジャムと味噌の加工品にも挑戦
2020年9月2週号
殿下ユズ生産組合・組合長 椿一郎さん 千代子さん
「潮風が届く殿下地区はユズ栽培にぴったり」と話すのは福井市畠中町の殿下ユズ生産組合・組合長の椿一郎さん、と千代子さん夫妻。2005年に植樹したユズ200本の収量が安定し、今年は1トンを超える収穫を見込んでいる。
品種は大ぶりの実が特長の木頭と多田錦。多田錦は小ぶりだが果汁が豊富で、炭酸水で割ると爽やかな風味が広がるという。
今年の収穫分からユズジャムとユズ味噌の加工品をJA福井県農産物直売所「喜ね舎愛菜館」にて販売する。ジャムは砂糖のみを使い爽やかな味わいに仕上げた。ユズ味噌は特に肉料理と相性がいいとのこと。保存料などの添加物は使用せず、素朴な味を提供する。
椿さんはこれまで、水稲や家畜の繁殖など長く農業に携わってきたが、ユズに関してはゼロからのスタートだった。まとまった収量が確保できるまで、長期にわたる胆力が求められる。専門家や県内外のユズ農家を訪ね、精力的に管理方法を学んだ。休耕地を活かして少しずつ規模を広げ、今では1・3㌶、約530本を管理している。
「収穫期には地区を離れた人たちが手伝いに戻ってくる。世代を超えてユズで交流の輪が広がる光景がうれしい」と椿さん夫妻は話す。
写真:椿さん夫妻とゆずの木。一郎さんの手には売り場に飾るゆずの絵が。購入の際は目印にしてほしいとのこと。