米の新品種ピカツンタとふくむすめ
2021年5月3週号
福井県立大学 三浦孝太郎准教授
2020年9月より、コメの新品種「ピカツンタ」と「ふくむすめ」の販売が始まった。品種開発を主導した福井県立大学の三浦孝太郎准教授は「両品種とも粒が大きいことが特徴。育てやすさを重視して開発した」と話す。
「ピカツンタ」は「コシヒカリ」から「ふくむすめ」は「ミルキークイーン」と「ピカツンタ」をベースに開発された。両品種は元となった品種よりも茎が1割程度太く、米粒が大きい。茎が太いため、倒伏しにくいという。コメをふるいにかけた際、くず米が少なく、コシヒカリと比べて10%の収量増が見込める。比較的暑さに弱いが、遅く植えても収量が安定しているので、コシヒカリより一週間遅く植えることをすすめている。
「病害虫対策や栽培方法はコシヒカリと殆ど変わらないため、コシヒカリを栽培したことがある農業者にとっては、栽培に取り組みやすいと思う」と三浦准教授は話す。
三浦准教授は昨年12月に大学発のベンチャー企業「県大アグリ」を設立し今年から「ピカツンタ」や「ふくむすめ」の種子を販売する。栽培方法など、農業者からの相談にも対応していく予定だ。
▽県大アグリ=福井県立大学・あわらキャンパス内TEL:(0776)-77-1443