大豆新品種「えんれいのそら」 難裂莢性で収量増に期待
2022年7月4週号
福井市・(農)メガファーム鶉
「大豆の新品種にチャレンジすることで、品質向上や収量増に期待する」と話すのは、福井市菖蒲谷町の農事組合法人メガファーム鶉の代用を務める辻脇俊和(つじわき としかず)さん(73)。今年から16㌶の圃場で大豆の新品種「えんれいのそら」の栽培に取り組んでいる。
同ファームは、2015年に周囲5つの経営体が統合し設立。農地集約によるコスト削減や省力化を重視した大規模経営を行っている。
「えんれいのそら」は、北陸地域の主力品種「エンレイ」に莢(さや)がはじけにくい難裂莢性(なんれっきょうせい)遺伝子をDNAマーカーで選抜しながら、北陸地域の主力品種「エンレイ」を5回戻し交雑させて開発された品種で、自然裂莢による減収が少ないのが特徴。
同ファームではこれまで晩生の「里のほほえみ」を栽培していたが、収穫適期に秋の長雨に悩まされることが多く、刈遅れによるしわ粒などの品質低下が問題となっていた。そこで、一部を中生のえんれいのそらに替え、成熟期を分散させることによる作業効率化と、難裂莢性を生かした実収量の増加を目指している。
「今後はえんれいのそらの栽培面積を30㌶まで拡大していきたい」と、辻脇さんは新品種に期待を寄せている。
2.5㌶を超える、えんれいのそらの栽培圃場。「天候には勝てないが、新品種の難裂莢性の特性に大いに期待している」と話す辻脇さん