広報

飲むゼリー/カレー/焼き肉のたれ 6次産業化進めるナシ農家の3代目

2022年9月3週号

連携・開発の活動を幅広く

福井県坂井市「近ちゃんふぁーむ」

 「美容と健康に良い食材で作ったゼリーを皆さんに味わって欲しい」と話すのは、坂井市三国町でナシ(40㌃)の生産と商品販売を行う近(こん)

 

 

)ちゃんふぁーむの近藤美香さん。自家栽培のアロエの葉肉とナシのピューレを使った商品「飲むゼリー」を開発、この9月からインターネットなどで販売している。

 美香さんは、2015年に妹の孝美さんとナシ農家の3代目として就農。美容関係の仕事に就いていた経験から、ビタミンやミネラル、抗酸化作用などの栄養成分を多く持つ食用アロエに関心を持ち、島根県のアロエ農家から株を仕入れ、自宅横のハウスで栽培を始めた。

 「アロエは栄養豊富で肌に良く、腸内環境を整える効果もあるなど、美容と健康に優れた食材」と美香さん。地元の洋菓子店の協力を得てピューレにしたナシをアロエに加え、飲むゼリーが完成した。

 「飲むゼリーを摂取することで、美容と健康の両方を体の内側からサポートできたらうれしい」と目を輝かせる。

 ナシを生かした商品は、若狭牛のレトルトカレー「美梨(びなし)カレー」や、焼き肉のたれ「ものがたれ」などがあり、6次産業化を積極的に進める。

 「農業を始めてから地元の方々との関わりが増え、アイデアをいただいたり、一緒にコラボ商品を開発できたりと、すてきな経験をさせていただいています」と美香さん。「いろいろな人に支えられているからこそ、農業は楽しいと思えるし、農業をして良かったと感じる」という。

 「今後も商品の開発をしたり、コラボレーションをしたりして、活動を広げていきたい。そして、福井県や近ちゃんふぁーむの梨のことや農業の楽しさを、SNS(交流サイト)などを通して発信していきたい」と意気込む。

飲むゼリーを手に美香さん。ナシのほかに地元食材の赤しそを使った商品があり、ラインナップを増やしていく予定

ハウス栽培のアロエと美香さん。今年の春には株分けできるほど成長し、生産拡大に成功した(写真提供=近藤美香さん)