私の農業経営 チャレンジして理想を追求
2022年11月1週号
おおい町 木村 秀樹(きむら ひでき)さん(69歳)
小浜市とJAが実施する自然光利用型の大型ハウス整備事業を利用して、2016年に合同会社を設立し、妻と息子の嫁、社員2人、パート2人の7名で、青ネギの周年水耕栽培に取り組んでいます。
青ネギの水耕栽培は、県内では生産者が少ないので、福井の気候にあわせた生産サイクル確立のためのデータを収集しながら栽培しています。
連棟のハウス内部は、温度調整などを各棟で全自動でできるようになっています。しかし、ハウス内の湿度や気温は天気で変わりやすく、生育や収穫量に影響が出てしまうため、遮光カーテンは天候を見ながら手動で調整し、計測器も必ず人が確認するなど、全自動に頼りすぎないようにしています。
季節によって栽培する品種を変更して、夏場は暑さに強い品種を栽培することで収穫量を確保しながら、電気代の節約に努めています。
青ネギは価格の変動が大きいため、価格下落やさまざまなリスクにも対応する収入保険に今年加入しました。
青ネギのほかに、個人で水稲と露地野菜も生産します。キュウリやナスは地元の特産「名田庄漬」に使用されています。近い将来、水稲や野菜の生産も同社に統合したいと考えています。
年間を通じた生産・出荷をテーマに、水稲と野菜の複合経営を目指してやってきましたが、すべての作物を自分が目標とする値まで生産するには、まだまだ力不足だと感じています。失敗することは、経験として自分に残り、成長させてくれるので、これからもいろいろなことにどんどんチャレンジして、理想の複合経営を目指していきます。
「複合経営を通して、地域の雇用創出、若い担い手の育成に取り組んでいきたい」と木村さん
出荷に合わせて生育管理をしているハウス内部。生産した青ネギは特産「幸福(しあわせ)ねぎ」として出荷する