熱帯果樹アボカド 福井で育て 今年10月に初収穫
2023年3月2週号
福井市・東 俊太郎(あずま しゅんたろう)さん
「高校生の頃から熱帯地域の植物に興味があった」と話すのは、福井市小羽(おば)町の東俊太朗さん(35)。大麦279㌃や野菜などを栽培する傍ら、所有するビニールハウス2棟(3.2㌃)で、寒さや害虫に強いアボカドの栽培に2019年から挑戦している。
アボカドは千品種近くあるが、日本で食べられているのはほぼ1種類。市場に出ているアボカドのほとんどが船で輸入されてくるため、完熟で食べ頃のものを口にできる機会は極めて少ない。
「せっかくならば日本でアボカドを栽培してみたい」と考えた東さんは、19年に18種類のアボカドの幼木30本を植樹し、栽培を始めた。
ビニールハウスを利用することで、積雪によって木や実が傷つくリスクも回避できるほか、冬場の暖房を最低限に抑えることでコスト削減に努めている。
また、アボカドは週に1度の生育確認と温度管理を行うだけでよいため、大麦の栽培などの農作業が重なっても、負担が少なく栽培できるという。
「今年の10月に初めての収穫を迎える。どんなものも新しく始めて結果が出るのは数年越しとなるが、期待しすぎることなく、福井の気候に合った品種を見つけだしたい」と意気込みを話す東さん。
「いつか、福井産アボカドを多くの人に食べてもらいたい」と笑顔で話してくれた。
写真:「営農を長く続けるためには、自分が楽しみながら栽培できる作物を選ぶこと」と東さん