ブドウ、ブルーベリーなど 妹が育て 姉が加工・販売
2024年9月2週号
人気のスイーツ 二人で築いた6次化
鯖江市・宮本采知さん、知弥さん
「妹が農業を頑張っている姿を見て、生産者の思いを伝えるお菓子づくりに取り組んでいきたいと思った」と話すのは、鯖江市下新庄町(しもしんじょうちょう)の菓子店「うちのぶどう」を営む宮本采知(みやもと さちか)さん(28)。妹の知弥(ちひろ)さん(26)と共に、祖父から農業と加工品の製造販売事業を引き継ぎ、姉妹で協力しながら営農する。
知弥さんは2020年に就農し、みやもとフルーツファームの代表として、ブドウやブルーベリーなどの生産を担当。采知さんは、知弥さんが栽培した取れたてのフルーツを使って、シフォンケーキや焼き菓子などのスイーツを製造・販売している。今年10月にはリニューアルした新店舗をオープン予定だ。
同店の人気商品「シフォンケーキ」は、祖父母の味を受け継ぎ、素材本来のやさしい味わいでどこか懐かしさを感じる逸品。シフォン生地では、県産の米粉など地場産食材をふんだんに使って、ふんわりとした食感に仕上げている。新商品を毎月提供。季節限定品もあわせ30種以上のフレーバーがある。
采知さんと知弥さんは「生産と販売を両立するのは大変だが、将来的には観光農園とカフェを併設した施設を作りたい」と笑顔を見せ「これからも農家ならではのお菓子づくりに取り組んで、若い世代へ農業の楽しさを伝えていきたい」と話す。
生育中のブドウの樹(き)の下で「県のイベントにも積極的に出店し、姉妹で協力しながら農業と店舗経営を行っている」と采知さん(左)と知弥さん
写真②一つ一つの素材を重視したシフォンケーキ(左前)などの商品は店舗ほか県内イベントなどに出品する