イチゴの可能性追求 自社産果実使用 美容成分配合マスク
2024年12月2週号
抗酸化作用を活用 美白や保湿効果に
坂井市・ICHIGOOJI(株)池田天瑠さん
「ほかにはない新しい商品を作りたかった」と話すのは、坂井市春江町のICHIGOOJI株式会社・代表取締役の池田天瑠(いけだ てんる)さん(29)。8棟のハウス40㌃でイチゴを生産する傍ら、2024年から自社イチゴの美容成分を配合したフェイスマスク「Dr.BERRY 3D FACE MASK」の販売を始めた。
池田さんは2020年に同市で新規就農し、「紅ほっぺ」や「章姫」のほか、県内でも珍しい白い果肉の「天使のいちご®AE(エンジェルエイト)」を生産。ハウス近くのゆりの里公園農産物直売所「ゆりいち」などで販売するほか、地元製菓店などへ出荷し、コラボ商品などに加工され販売されている。
「商品開発を考えた時に、よくある食べ物などはプロが多く、かなわないと感じた」と池田さん。もともとイチゴに含まれているビタミンCなどの美容成分に注目していた。何か美容関係の商品にできないかと考えていた時、知人から大手フェイスマスク会社を紹介してもらい、自分のイチゴを使ったフェイスマスクの開発を決意した。
「企画からパッケージデザインまで1年以上もかかった。自分でも毎日使っていて、肌がきれいになってきた」と池田さんは効果を実感している。
同商品は、イチゴの持つ「ビタミンC」や「アントシアニン」「フラボノイド」などの抗酸化作用を活用。種子の部分から独自抽出した保湿成分「イチゴ果肉エキス」と「白イチゴエキス」などを配合し、美白や保湿効果が高い。
人とのつながり大切に
離農で空いたハウスを借り受けた。「うちのイチゴを欲しいという人を断っている状態で、生産量が追いついていなかった。今、イチゴ生産を学んでいる研修生を受け入れており、自分の生産スタイルを教えて規模拡大を目指している」と池田さん。「たくさんの人とのつながりのおかげで、商品化できた。これからも人とのつながりを大切にしながら、おいしいイチゴを幅広い多くの人に届けていきたい」と話してくれた。
「地域の農地を受け入れ、若い仲間とともにイチゴ生産で活用していきたい」と池田さん(写真提供=池田さん)
ホームページ:https://www.ichigooji.com/
フェイスマスクの購入サイト:https://dr-berry.shop-pro.jp/