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食の大切さ 伝えたい

2017年9月4週号

野菜移動販売農園カフェ


笑顔で接客する久利子さん

「安全安心な食べ物があふれる社会にしたい」と話すのは坂井市三国町の川合久利子さん(51)。夫の芳彦さん(50)が作る野菜や果物などの移動販売を始めて、17年目を迎える。さらに今年7月からは自宅にカフェをオープンし、季節の野菜をふんだんに使ったスープ、スムージやランチメなどのニューを提供している。
 もともと服飾デザイナーとして働いていた久利子さん。子育てのため仕事を辞め、ママ友との交友が増えた。その中で、子どもには体に良い物を食べさせたいとの思いは皆が持っていることを知り、夫が作る減農薬野菜を提供していきたいと強く思うようになったという。
当時は野菜の直売が一般的でない中、子育てしながら資本をかけないでできる自家用車での「野菜の移動販売」を思い立った。当初、賛同する3軒の農家から野菜を提供してもらいスタートした。移動販売も現在は8軒の協力を得て多くの品ぞろえも可能となった。月・水・金曜を販売日とし、曜日ごとに回る地区を変えており、遠くは約25㌔離れた場所まで移動する。


「スタッフにも恵まれ
何とかカフェをオープンすることができた」
と話す久利子さん

新鮮でおいしい野菜がいつも買えるとの評判は口コミで広がり、150以上の常連客をかかえ、箱単位で予約する人も多い。毎回利用しているという同町の主婦は「旦那さんが作った野菜を大事に扱っている。会話も楽しく元気をもらっている」と笑顔だ。

「雨の日も雪の日も待っている方がいる。待っている方がいるからやめられない」と話す久利子さん。始めは反対していた芳彦さんだが今は、「移動販売での小売りは、良い物を適正な値段で売れる理想的な手段」と妻への感謝を話す。
 移動販売を続けていく中、子育てが一段落した10年前ごろから、健康を意識した食の大切さを伝える「農家カフェ」の開設を思い描いてきた。そして今年の5月、夫の両親と同居することがきっかけで家を新築した際、カフェの併設が実現した。
「自分が楽しめないと、お客さまも楽しめない」と話す久利子さんは「おいしさとともに、安心とやすらぎを提供でき、食を大切と思う方が集まるカフェにしていきたい」と今後の抱負を話す。
▽川合農園+カフェ=0776-82-6239