池田の味おばちゃんの手作りかきもち
2019年2月2週号
自家栽培のタカキビ入り あざみグループ 池田町水海
「サクッと軽い食感で、優しい甘さのかきもちは止まらなくなるおいしさ。食べた分動けば、太らないから大丈夫」と冗談交じりに話すのは、あざみグループ代表の杉本すみ子さん(83)。(今立郡池田町水海)32年前から自家栽培のタカキビを使い、かきもちやきびだんごを製造している。
タカキビの栽培は、4名のメンバーが10㌃の畑で行う。5月に種を撒き、土寄せなどの管理をした後、9月には稈長2㍍ほどに伸びた穂を手作業で収穫し、実を天日で乾燥させる。「実は赤褐色で、食物繊維を豊富に含み、そのまま炊くと弾力があります。粉にしてお菓子に加工することで食べやすくしています」と話す。
かきもち作りは冬場の仕事で、同町のカグラモチを使い3種類(タカキビ・大豆・黒ゴマ入り)を製造している。「割れないように、寒の時期にしっかり乾燥させることが大事」という杉本さんは、木造建の2階いっぱいに吊るされたモチを長年の勘で管理する。約2カ月乾燥させた後、菜種油で揚げて直売所等に出荷している。
「昔は各家庭の縁側で、モチを吊るす光景が見られました。手間がかかるので自分で作る人は減っています。これからも活動を続けてふるさとの味を伝えていきたいです」と話す杉本さん。
同グループのメンバーは昨年から農村体験プログラムの講師として、モチを切って紐で結ぶ方法を中心としたかきもち作りときび団子作りを教えている。
写真:タカキビの穂を見せる杉本さん。
写真:もちが乾くと紐を締めていく。