高校生から発信 外来雑草に気をつけて
2019年10月1週号
「環境に被害を及ぼす外来雑草のことを多くの人に知ってもらいたいです」と話すのは、福井県立福井農林高等学校・生物生産科2年生の村野綾香さん。外来雑草の駆除活動に取り組んでいる。
「外来雑草によって、様々な影響が起こることが予想されますが、あまり危険視されていない現状です」と話す村野さん。日本学校農業クラブ県大会では、外来雑草問題をテーマとした発表で最優秀賞を受賞。北信越ブロック大会でも発表を行い、聴衆者からは「被害が広がる前に対策すべき」などの反響があった。
村野さんは昨年12月に参加したインドネシアでの研修で、現地の友人から「外来生物の侵入によって在来生物が危機に瀕している」と教えてもらったことがきっかけとなり、外来雑草に興味を持った。
外来雑草には「アレチウリ」や帰化アサガオの「マルバルコウ」などがある。福井でも近年、大豆やソバの圃場で「マルバルコウ」が確認されている。強い外来雑草が田畑に入り込むと、農産物の品質が低下する恐れがあるほか、除草が間に合わず圃場を覆い尽し、収穫皆無に至る場合もある。
村野さんは「大好きなふるさとの環境を守りたい」と雑草学、植物生態学などを専門とする福井県立大学水口亜樹准教授の協力のもと、九頭竜川流域で外来雑草の生育調査や駆除活動を行っている。また、県自然保護センターが開催している池ヶ原湿原(勝山市平泉寺町)での外来雑草抜き取り活動にも参加し、特定外来生物の「オオハンゴウソウ」を根から駆除している。
今後は、生息マップを作成し、外来雑草のことや防除の方法を知ってもらうプロジェクトを進めている。「生物多様性、環境や生活を守っていくことが目標です。将来は、大学に進学して環境を守る仕事に就きたいです」と村野さん。同校生物生産科宇佐美元気教諭は「地域の方へ外来雑草を知ってもらい対策を進めることが今後の課題です」と話す。
どこでどんな雑草が生育しているかを調べる村野さんと宇佐美教諭