道路開口部のイノシシ侵入防止対策
2020年9月4週号
グレーチングと電気柵、恒久柵の併用でイノシシ侵入防止 あわら市 熊坂区
獣害の軽減を目指すあわら市熊坂区では、イノシシの侵入を防止する「グレーチング付U字溝・わたれません」(株式会社赤城商会)を昨年8月に設置。被害面積・金額ともに減少し、2年目の今年も効果が期待されている。
同区では10年前より、獣害対策として山際に沿って恒久柵を整備。さらに圃場を囲うように電気柵を張る対応をしていたが、市道によって恒久柵が途切れる場所があり、そこからイノシシが圃場へ侵入していた。
そこで、道路上の対策として設置したのが「わたれません」だ。獣の脚が落ちるサイズ直径8㌢のハニカム構造のグレーチングを、道路幅7㍍・長さ2.4㍍に敷設。獣はグレーチングの上を通ることを嫌がるため、侵入防止策となっている。
獣害対策の指導にあたっている、あわら市経済産業部農林水産課鳥獣害対策室主事・宮谷友基さんは「グレーチング単独だけでなく、電気柵と恒久柵の併用だからこそ効果がある。設置しているセンサーカメラでは、イノシシが躊躇する様子が撮れている。生態把握もでき、今後の対策にも役立てたい」と話す。
同区区長の竹内幸雄さんは「春先から恒久柵の保全管理をしている。これからも集落一体となって獣害対策に取り組んでいきたい」と抱負を話す。
センサーカメラを指す宮谷さん。「グレーチング前後に白線を引くことで、獣に距離を長くみせる錯覚を起こしている」と話す。