自然任せの農法
2021年2月4週号
「植物が自然に成長するように条件を整えています。年によって出せるものが変わり、自然任せの面白さがあります」と話すのは、福井市風巻町の斎藤宏也さん。土地を耕すことや、苗を植えること、農薬・肥料は一切使わず自然の成り行きに任せ、果樹や山菜の管理をしている。
約2㌶の山地、畑には、キウイ、柿、栗、クルミなどの果樹やワラビやタラの芽、コシアブラ、カンゾウ、畑ワサビなど、多種多様な収穫物がある。去年の秋からキウイが収穫できるようになり、近所の直売所丹生膳野菜で販売を始めた。皮ごと食べるのがおすすめだという。
「収穫の際には伸びすぎたつるや雑草を取り除きますが、手を加えるのは最低限でいいと考えています。条件さえ整えば、その環境に合った植物が自然に発生します。現代的な大規模農業とは真逆のやり方ですが、本来の味というものを残していきたいという思いでやっています。無理をせず、今のやり方を今後も継続していきたいです」と斎藤さん。竹や木の実で姿炭を作り消臭剤やアクセサリーとして販売することも検討している。
「自然任せの農法は選択肢の一つとして捉えてもらえれば」と斎藤さん