赤・黄・オレンジ 甘いミディトマト越の宝石
2021年5月4週号
甘いミディトマト 赤・黄・オレンジ「越の宝石(じゅえりー)」
赤と黄、オレンジのミディトマトを組み合わせした「越の宝石(じゅえりー)」が6月から8月にかけて、県内JAの直売所にて販売される。黄、オレンジのミディトマトは高い糖度が特徴で、昨年県農業試験場園芸研究センターが開発した。県産の赤色ブランドミディトマト「越のルビー」に加えてミディトマトのバラエティが増えた。
農業試験場品種開発研究部の堀口芽以主事は「トマトと言えば赤が主流だが、地元消費者に黄とオレンジのトマトを知ってもらい、色や味を楽しんでもらいたい」と話す。農業試験場は1989年に県立短期大学(現県立大学)が開発した越のルビーを、更なる良食味と栽培のしやすさを求めて品種改良を続けている。黄とオレンジは2013年から開発に取り組み、糖度が高いものが選ばれた。(表)越のルビーと葉の形や茎の太さなどの見た目はそれぞれに違うが、栽培期間や作業工程が似ているため、越のルビーを生産していた農業者にとって取り組みやすくなっているという。「越の宝石」という名前は試験栽培に携わった生産者の意見を取り入れて決まった。
黄、オレンジの苗1本から2~3㌔の収穫を見込んでおり、計2,400本を生産26名が栽培している。苗の販売はJAが行い、農業試験場、農林総合事務所とJAが栽培を指導する。「越の宝石」はJAの直売所を中心に販売される。
「越の宝石」の栽培が今年2年目となる清水江梨華さん(福井市中新田町)は黄とオレンジ計300本のほか、12種類のカラフルトマトを生産している。「以前、黄とオレンジのミディは別の品種を栽培していた。越の宝石の方が、皮が薄く、栽培もしやすい。近年、カラフルトマトの売上に手応えを感じている。トマトは冷やして玉のまま食べたり、皮を湯むきして食べるのもおすすめ」と笑顔で話す。清水さんはトマトをピクルスに加工して販売もしている。
オレンジの株と清水さん。バック栽培をしている
3色詰め合わせた「越の宝石」(農業試験場提供)