広報

土壌に炭 炭素貯留量と米の生育を調査 

2021年6月4週号

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を防ぐため、バイオマスなどの再生可能エネルギーの利用が進められている。そこで、福井県農業試験場では、2021年から土壌へ炭を施用・耕うんし、土壌内の炭素量を1年間通して調査する炭素貯留量調査を実施。さらに、施用圃場での作物(水稲)への影響や効果も並行して調査していく。

調査に協力しているのは、坂井市三国町で米の減農薬栽培に取り組んでいる有限会社さんさん池見(大嶋裕一代表取締役・水稲28㌶、麦・大豆21㌶)。施用する炭は、県産杉の間伐材を使用したもの。施用量は10㌃当たり1000㌔を施用した場合と、100㌔を施用した場合の2パターンを実施。耕うん前に施用し、約45日後にコシヒカリを移植した。

 今後、土壌内の炭素量調査のため、施用前後と収穫後の土を採取。また、田植え後の草丈や根張りの状況、収穫期の稈長・収量など、米の生育調査も行われる。

大嶋代表は「本来は土壌内の炭素量調査が第一だが、米の生育にも好影響があれば、さらに米の付加価値が上がるので、期待している」と話す。(髙嶋)

炭を圃場へ施用する(写真提供=福井県農業試験場)

「炭は園芸作物に効果があると聞いている」と取締役の大嶋朋裕さん