ギョウジャニンニク 耕作放棄地対策と新たな特産品作り
2022年5月4週号
勝山市長山町の門善孝さん(72)は、6㌃の畑でギョウジャ
ニンニクを栽培。耕作放棄地の減少に向けて、作業に力を入れている。
畑がある同市北谷町は、過疎化に伴い耕作放棄地が増加し、一部は林地のようになってしまっている。門さんは、増えていく放棄地を活用したいと、2014年に同町の山中に自生するギョウジャニンニクを株分けし、放棄地に定植し始めた。
ギョウジャニンニクは、半日陰で低い気温と水気の多い場所を好む多年草。獣害や積雪に強く、手間があまりかからない作物で、栽培方法が分かれば、誰でも簡単に作付けできるという。
通常では出荷まで5年以上かかるが、株分けして栽培することで、栽培期間を短縮することができた。
県内でもギョウジャニンニクが認知され始め、新たな特産品になるよう、栽培を希望する同町の農家10人に株分けを行うなど、生産規模の拡大に努めている。
出荷時期は5月上旬で、主に販売する北谷町コミュニティセンターでは、地元住民だけでなく観光客にもよく売れているという。
「これから、より簡単な栽培方法を見つけだすとともに、ギョウジャニンニクの活用法の研究にも取り組み、耕作放棄地の減少に繋げていきたい」と意気込みを話す。
写真:「多くの人に買い求められていると聞き、栽培の励みになっている」と除草に精を出す門さん。ニンニク風味の葉や健康づくりへの活用法なども研究している