Ⅰターン野菜で新規就農へ 魅力を実感 楽しく続けたい
2022年11月4週号
あわら市 森島浩平さん
「10年、20年という長い目で農業と向き合っていきたい」と話すのは、あわら市柿原の森島浩平(もりしま こうへい)さん(37)。県の新規就農支援施設「ふくい園芸カレッジ」の新規就農コースで野菜の生産を学び、来年1月の独立に向けて準備に取り組む。
森島さんは愛知県の出身。会社員として働いていたが、拘束時間が長く家族との時間が全く取れないため、ストレスを抱えていたという。ゆとりのある時間を求め、自然豊かな地方へ移住し自分のペースで働ける農業ができないかと考えた。愛知県にも郊外型農業の盛んな地域はあったが、新しい土地で心機一転したいと考え、2020年12月に妻の由希子(ゆきこ)さん(30)とともに夫婦で福井へ移住した。
福井の暮らしについて「海や山、川など多くの自然に囲まれ、時間が緩やかに流れる環境に満足している」と笑顔で話す。
1月からは市内2か所の農地4㌶で、白ネギとスイートコーンに取り組む予定。「自分たちのできる範囲の中で、息の長い生産スタイルを見つけ、細く長く、楽しんで農業を続けていきたい」と話す森島さん。将来的にはアスパラガスにも取り組みたいという。
森島さんは、福井で始める農業を“第二の人生”と位置づけており「私たち夫婦にとって、農業は腰を落ち着けて取り組めて、成果も目に 見える魅力的な職業。毎年いろいろなことにチャレンジしながら、福井の良さや農産物のおいしさをもっと多くの人に知ってもらいたい」と抱負を話してくれた。
愛車の軽トラの前で「大変なこともあると思うが、最後に笑えていればいい」と笑顔の森島さん