売り方を一工夫 お客さんの反応が自信にもつながって
2023年1月1週号
福井県勝山市 黒瀬 公雅(くろせ きみか)さん(28歳)
大阪の大学を卒業後、福井の一般企業に就職しましたが、子どものころから祖母や両親の農業の手伝いをしていたので、いつかは農業を受け継いでいきたいと考えていました。
そんな中で、2020年に県の就農支援施設「ふくい園芸カレッジ」の新規就農コースの入校募集を見つけ、野菜生産の基礎を1年間学び、21年に就農しました。
水稲以外の農業の経験がなかったため、入学した当初は野菜の知識がまったくありませんでしたが、野菜作りの楽しさや農業の大変さなど多くのことを学びました。
増加したフォロワー
野菜は地元直売所をメインに販売しています。メロンは、お客さんの目にとまりやすいように、麻のひもを巻き、自社のロゴとインスタグラム(写真共有サイト)のQRコードを印字したステッカーのタグを付けました。
この一工夫で、若い人を中心にたくさんの人に手に取ってもらえるようになりました。売れ行きは好調で、インスタグラムのフォロワー(閲覧登録者)数も増加しました。
最近は直売所で商品を並べていると、お客さんから「おいしかった」などと声を掛けてもらえることも多くなり、農業を始めてよかったという気持ちと、自信にもつながっています。
22年の夏は天候が急激に変化することが多く、露地栽培のナスが病気になってしまい、収穫量が減りました。農業は自然相手の仕事だということは理解していましたが、露地栽培がこれほど大変だとは思っていませんでした。今回の経験を次に生かして、この土地と自分にあった営農スタイルを確立していきたいです。
これからはインターネット販売なども活用しながら、おいしい野菜を勝山から多くの人に届けていきたいです。
▽きみごろFARM代表。ミディトマト、メロンなど施設園芸9㌃(ハウス4棟)、ナスなど露地野菜5㌃
愛犬のアルバ君は「看板犬で、いつも畑やハウスの見回りについてきてくれる心強いパートナー」と黒瀬さん