ブランド米 緑肥にクリムゾンクローバー
2023年6月2週号
夢のある農業目指して
サンファーム上番代表・岡嵜 清弘さん
「集落の農地を残していくため、独自の取り組みに挑戦していきたい」と話すのは、あわら市上番(かんばん)の農事組合法人サンファーム上番・代表の岡嵜清弘(おかざき きよひろ)さん(65)。緑肥作物としてクリムゾンクローバーを利用した、環境に配慮した農法を始め、景観も楽しみながら圃場管理に力を注いでいる。
元々会社員だった岡嵜さんは、担い手農家の手伝いをしていたが、周囲からの要請で、2022年に代表に就任。組織がある地域は農地の集約が進んでおり、規模拡大はあまり望めないため、今年、270㌃の圃場で、県のブランド米「いちほまれ」の栽培を開始した。
どうせ取り組むなら、より付加価値の高いものをと考え、農薬や化学肥料を使わない特別栽培にチャレンジ。化学肥料をクリムゾンクローバーの緑肥に変更し、除草対策用の機械を新たに導入した。
また、特別栽培を行う先輩に指導を仰ぎ、他の生産者と情報交換しながら、技術の習得に尽力する。
「将来、若手が自主的に農地を引き継いでくれるように、不安でハラハラドキドキするような農業ではなく、ワクワクドキドキするような、夢のある農業を目指したい」と笑顔で話してくれた。
クリムゾンクローバーの赤と空、圃場のコントラストが色鮮やかだ(写真提供=サンファーム上番)
岡嵜さん(中央)と従業員たち。田植え後の除草対策用の機械を取り付けた管理機